kazutakoLAB -かずタコの電子工作部屋-

電子工作や趣味のあれこれ

趣味の話:電子工作 続きの続き

前回更新からかなり空いてしまいました(2週間も…

ここ最近リアルのほうで少し忙しいことになってまして、なかなか書く元気を残して家に帰れなかったのが現状です。

ですが、この前のポケモンダイレクトやニンテンドーダイレクト、また3か月待ってようやく届いたポケモンシャツなどなど、テンションが滝登りするようなイベントが多々あったので、意外と心は穏やかです。

今日は前回からの続きをとりあえず書きまして、次回以降に先の激熱イベントの事を書こうかな~と考えております。

 

と、いうわけで今までの作品紹介の続きですね。

 

マイクロマウス(初号機)

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初号機 名前はK.Rosso(由来忘れた…)

私の所属していたサークルでは2年生になってから、自分の作りたいロボットの種類に合った班に所属するのが通例でした。例えば二脚ロボットが作りたかったら歩行班、アームロボットが作りたかったらアーム班といった感じです。いくつかある中で、私はマイクロマウス班という班に所属しました。

マイクロマウスというのは競技用ロボットの総称、またはそれを使った競技そのものを指す言葉で、大会自体は1970年代から行われているとても歴史のある競技です。

大会のレギュレーションはいたってシンプルで、ロボットが大きな迷路を自力で探索し、ゴールまでにかかった時間を競う、といったものです。


マイクロマウス大会2014 エキスパートクラス優勝 最速走行

上の動画は最速走行の解説になってますが、一台のロボットは5回まで走行でき、最初の1,2回で探索、残りで最短ルートを高速走行、といったスタイルが主流です。

んで、私が入った班は動画のようなかっちょいい競技用ロボットを作ろうぜ!といった班で、私が一人で作り上げた最初のロボットが上の画像のマウスです。

 

製作過程

このロボットのコンセプトとして、

  • 制御しやすいステッピングモータを使ってみよう
  • プリント基板を自作してみよう

という二つを掲げました。前半のステッピングモータというのは、3Dプリンタなんかでよくつかわれているもので、「~度/~回転 回りなさい」といった回し方が構造上簡単にできるモータです。

これを使えば、”モータをどれくらい回したか”という情報から”どれくらい進んだか”を計算で求めることができますね。あまりスピードはでないし重いモータですが、初心者向けでちょうどいいと当時考えてたと思います。

んで、一番やりたかったのが後半のプリント基板の自作で、なかなか面白い体験でした。

プリント基板というのは、例えば今この記事を読むために使っているパソコンやらキーボードやらマウスやら、一般的な電化製品の中に入ってる回路の事です。

自分で設計した回路を実際にプリント基板にするには基本的に業者に発注するしかないのですが、例えば日本で有名な「ぴーばん」(検索除け)さんなんかに頼もうもんなら一枚数千~数万の値段になります。やばすぎ。

しかし、自分でユニバーサル基板(いっぱい穴が開いてて自由に回路を組める基板)で回路を作るのもなんかスマートじゃない…しかも表面実装(楽しい)しかできない素子もあるじゃん…しゃーねー自作したらぁ!!

てな感じでDIY精神に火がついて、若さに任せたノリと勢いでこなしたのが以下の手順になります。

まず、プリント基板用CAD(私はEAGLEを使ってます)を用いてプリント基板を設計します。はじめはまともな回路引くのも大変で、素子をきれいに並べて回路をきれいに引いて…とあーだこーだ言いながら3か月くらいかけて作りました。

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CADでカリカリ設計していく 使い方は独学で学んだ

んで、この回路図をレーザープリンタでコピーし、生基板と呼ばれる一様な銅の面があるだけの板に転写します。

転写の仕方は、洋服にアイロンでワッペン付けるのと全く同じような感じです。熱し方や力の入れ方が少しでも下手だとうまく転写せず、線が切れたり滲んで他と繋がったりでめちゃくちゃ大変でした。下の写真の中で少し色味が違うところは、切れそうな線をマジックで補強した部分です。

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生基板に転写 実は裏面もある

そして、腐食液(酸化第二鉄液)にこれをじゃぶじゃぶ漬けます。ひたすら漬けます。

すると、プリンタのトナーがついているところだけに銅が残り、見事回路になるのです。

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溶かした後 こいつに穴を開けないといけない…

この溶かす作業も、時間が少なすぎると銅が溶け切らずにとなりとくっついたり、逆に長すぎると断線してしまったりと、何度も何度も失敗してようやくまともなのが作れました。

トナーを除光液で落としたら、いよいよはんだ付けです。

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はんだ付け ここが一番楽しかった

表面実装のはんだ付けも初めてやったんですが、米粒より小さい鼻息で吹っ飛ぶような素子を引っ付けるのは最高にエキサイティングでした。

んで、同じような要領で基板をいくつか作って…

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作った基板 左からセンサ(受光)回路、センサ(発光)回路、メイン基板

モータものっけて組み立てます。

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ステッピングモータはこんな感じで取り付け

そして、一番上の写真のような機体が出来上がったわけです!

ここまで、全部ひとりで調べて勉強して設計して作業して作業して作業して…

半年ほどはかかったでしょうか、このマウスの製作を通して、それはそれは多くのことを学びましたし、何より、最高に楽しかったのを覚えています。授業もそっちのけで作ってましたからねぇ

苦労も多く、しかも結果としてまともに動きませんでしたが()、とてもいい経験になったと思います。ロボット作りの奥深さ、面白さを自分の肌で感じることができましたね。

 

それにしても二度とプリント基板の自作はしたくないですね!←

というのも、そもそも成功率低いし廃液の処理とかめっちゃ面倒だしで、楽しかったですし勉強にはなりましたが実用性が皆無すぎました笑

 

ロボットの結末 

ハード面でめちゃくちゃ凝って作ったこの機体。

 

実は先ほどちらっと言ったように

 

まともに走りませんでした.....orz

 

orzとか今どき使ってる人いるのかな

自作基板は最高に良く作れていて、センサもきちんと作動しましたしモータも回りました。

なのになんで動かなかったかというと。

足(モータ)に対して体が重すぎました。

タイヤを浮かせた状態なら普通に回る。でも接地させて走らせようとすると、モータに送る高周波の信号の音(ピーって音)がむなしく響くばかりで、うんともすんとも前に進まなかったのです。

モータは部室に転がっていた小さめのものを使ったのですが、その時は

「お!ステッピングモータにしては小さいのがある!ラッキー!!」

と浮かれて、ちゃんとスペックを調べなかった自分の落ち度…!圧倒的ミス…!

まあこんな失敗も含めて、本当にいい経験になりましたとさ。

 

 終わりに

ここまで書いて、文字数見たら3000文字にとどく勢いでした。相変わらずの長文だぁ。

長くなりすぎたので、マイクロマウス二号機はまた別の記事に書きます~